慶応義塾大学 荒井格先生によるセミナーが開催されました
日時: 2023年3月8日(水) 15:00~
場所: コラーニングハウスⅡ4階講義室
講演者:荒井 格 先生
所属: 慶應義塾大学医学部生理学教室 助教
タイトル:長期可塑性の新規制御機構-リソソーム開口放出-と、その光制御技術
要旨:
中枢神経系における興奮性シナプス伝達は、活動に応じて様々な修飾を受ける。例えば、記憶や学習を司る海馬のCA3-CA1シナプスでは神経活動が亢進すると、シナプス内のAMPA型グルタミン酸受容体の数が増加する長期増強(LTP)が生じる。このLTPの誘導機構についてこれまで多くの研究がなされてきたが、細胞外環境との関係については未だ不明な点が多い。最近我々は、LTPの誘導にはシナプス後細胞から生じるリソソーム開口放出が引き金となって細胞外基質が分解されることが必須であることを明らかにした。今回、まずこの点について議論し、後半ではリソソーム開口放出に着目して開発した、光遺伝学によるLTP制御ツールを用いた研究について議論したい。
問い合わせ先
小池千恵子 koike@fc.ritsumei.ac.jp