お知らせ

2023年6月

アメリカ・テキサス大学 廣井昇教授によるセミナーが開催されました

アメリカ・テキサス大学 廣井昇教授によるセミナーが開催されました


日時: 2023年4月17日(水) 16:30~

場所: コラーニングハウスⅡ4階講義室

講演者:廣井 昇 先生 

所属: University of Texas, Health Science Center at San Antonio

タイトル:染色体欠失重複:精神疾患のPrecision Medicineへのアプローチ

要旨:
自閉スペクトラム症、統合失調症、知的障害などを高率で起こす, 数百万塩基対にも及ぶ多くの染色体欠失重複が2007-2008年に発見された。 類を見ない高い浸透度と再現性ゆえに、染色体欠失重複は精神疾患のメカニズムを解明する糸口になりうるものであると期待された。 しかしながら、染色体数変異には多くの遺伝子が含まれており、また表現型が多様なために、正確なメカニズムは人では依然として明らかになっていない。 われわれのグループや他のグループは、遺伝子操作で作られたマウスモデルを使って、染色体数変異に内包される単一遺伝子と精神疾患の様々な構成要素との間の関連性を同定してきた。 マウスモデルの研究では、従来の臨床上の区分に必ずしも準拠しない精神疾患の構成要素のメカニズムが明らかになってきている。 本講演では22q11.2欠失重複を例に、精神疾患構成要素のメカニズムとして示唆される脳内メカニズムを議論する。染色体数変異マウスモデルは、精神疾患をメカニズムの観点から解体、再構築する一助になるとともに、メカニズムに基づく治療開発に寄与するものと考えられる。

問い合わせ先
木津川 尚史 kits@fc.ritsumei.ac.jp

アメリカ・ノースウェスタン大学 二木大樹先生によるセミナーが開催されました

アメリカ・ノースウェスタン大学 二木大樹先生によるセミナーが開催されました


日時:2023年3月7日(火)13:00〜14:00

場所:コラーニングII 4F 講義室(クリコア側の階段をあがってすぐ)

演者:二木 大樹先生(アメリカ・ノースウエスタン大学)

演題:Absence of T-type calcium currents in ground squirrel photoreceptors
Abstract:
Electrophysiological and molecular studies on mammalian cones identify a major role for L-type Ca2+ channels in transmitter release. A recent study, however, suggests that mammalian cone terminals also contain T-type currents. Unlike L-type currents whose voltage activation range and sustained behavior is well-matched to that of the cone light response, T-currents activate transiently during depolarization from hyperpolarized voltages that are at the nadir of the light response range. If present together, the two Ca2+ currents could potentially signal different features of the light response. Here, we use voltage clamp recordings to test whether T-type currents are a ubiquitous feature of mammalian cone terminals.
Experiments were performed on adult Ictidomys tridecemlineatus of either sex. For recordings, the eyecup was divided along the dorsal to ventral axis into superior, middle, and inferior parts. Cone voltage was maintained at -85 mV and either ramped to +25 mV at a rate of 0.1 mV/ms or stepped to a series of more depolarized voltages for 60 ms. The T-channel blocker ML218 (5 µM) and the L-channel blocker isradipine (ISR, 2 µM) were applied directly to the cone terminal via puffer pipettes.
During voltage ramps, ML218 produced a small leftward shift in the activation curve of an L-type current (DV50 = -1.2±0.9 mV [±SD], p=0.0294) without a significant change in the current peak (-7.0±20.8%, n=6 cones). When L-type currents were blocked by first applying ISR, the addition of ML218 was accompanied by only a small continuation of the L-current block (n=17 cones). Voltage steps to -55 and -45 mV exclusively produced sustained currents that were unaffected by ML218 (n=4 cones). Similar responses were obtained in all 3 retinal regions. Based on voltage-dependent activation and pharmacological properties, adult ground squirrel cones lack T-type Ca2+ currents.

問い合わせ先
北野勝則
立命館大学情報理工学部
kkt23219@is.ritsumei.ac.jp

慶応義塾大学 荒井格先生によるセミナーが開催されました

慶応義塾大学 荒井格先生によるセミナーが開催されました


日時: 2023年3月8日(水) 15:00~

場所: コラーニングハウスⅡ4階講義室

講演者:荒井 格 先生

所属: 慶應義塾大学医学部生理学教室 助教

タイトル:長期可塑性の新規制御機構-リソソーム開口放出-と、その光制御技術

要旨:
中枢神経系における興奮性シナプス伝達は、活動に応じて様々な修飾を受ける。例えば、記憶や学習を司る海馬のCA3-CA1シナプスでは神経活動が亢進すると、シナプス内のAMPA型グルタミン酸受容体の数が増加する長期増強(LTP)が生じる。このLTPの誘導機構についてこれまで多くの研究がなされてきたが、細胞外環境との関係については未だ不明な点が多い。最近我々は、LTPの誘導にはシナプス後細胞から生じるリソソーム開口放出が引き金となって細胞外基質が分解されることが必須であることを明らかにした。今回、まずこの点について議論し、後半ではリソソーム開口放出に着目して開発した、光遺伝学によるLTP制御ツールを用いた研究について議論したい。

問い合わせ先
小池千恵子 koike@fc.ritsumei.ac.jp

慶応義塾大学 桜田一洋教授によるセミナーが開催されました

慶応義塾大学 桜田一洋教授によるセミナーが開催されました


日時: 2023年3月6日(月) 13:00~

場所: ZOOM配信 

講演者:桜田 一洋 教授

所属: 慶應義塾大学医学部 拡張知能医学教授
    理化学研究所 先端データサイエンスプロジェクト プロジェクトリーダー

タイトル:複雑な生命現象の理解と予測

要旨:
生命医科学では、これまで因果関係から生命現象を説明してきた。しかし、この方法では複雑な生命現象を十分に表現し、予測することができない。本講義では、生命現象をアルゴリズム(計算手順)で表現し予測するための方法と、第一原理から理解するための考え方を概説する。

問い合わせ先
小池千恵子 koike@fc.ritsumei.ac.jp

デンマーク・Aarhus大学 松本彰弘先生によるセミナーが開催されました

デンマーク・Aarhus大学の松本彰弘先生によるセミナーが開催されました


日時 2022年7月13日(水)16:20〜 

場所 コラーニングII4F講義室

演者 松本彰弘先生(デンマーク・Aarhus大学)

タイトル:網膜神経回路は視覚情報をどのように処理し、脳へと伝送するのか
要旨: わたしたちが日々経験する視覚情景には、明るさ、大きさ、色など様々な視覚特徴が含まれている。視覚系の感覚器官である網膜での処理の要は、それらの特徴を抽出・符号化して視覚入力を分節化し、特徴ごとに適切な脳領域へと信号を伝送することである。
これまで、(1)網膜の興奮性介在神経細胞である双極細胞の軸索終末に、視覚運動特徴の一である方向選択性を抽出する局所機構が存在すること、(2)網膜で抽出された運動情報が視覚皮質の特異な領域において処理され、視覚-運動協応の構築に寄与する可能性を示してきた。これらの研究を紹介し、網膜がどのように視覚情報を処理し、脳へと伝送するのか議論する。また、網膜の抑制性介在神経細胞を機能的に分類し体系化する最近の試みについても紹介する。


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