塚本 吉彦 - 視機能再構築に向けたシステム視覚科学学際的研究拠点の創生

塚本 吉彦 兵庫医科大学 名誉教授

塚本 吉彦
霊長類マカクサル網膜の神経細胞型の分類とシナプス結合パターンを連続切片電顕法で三次元的に解析しています。観察によって得られたリアルな神経回路を対象にして、シナプス伝達の発散と集束による視覚信号の初期段階における並列処理を研究しています。

兵庫医科大学を退職後、キャンパス近くのレンタルハウス(スタジオ・レチナと呼称)にて、ニホンザル網膜連続切片の3万枚余の電顕写真ファイルから神経細胞群を発掘している。立命館大学の「システム視覚科学研究センター」とは目標を共有して連携を図りたい。

Frontiers Loopへのリンク:
http://loop.frontiersin.org/people/155068/overview

研究テーマ

  1. 網膜神経回路の観察的研究
    A)杆体が最大密度である領域(Pシリーズ)で網膜周辺に特徴的な神経回路を調べる。暗所視、薄明視、明所視による神経路の切り換えと、各神経路の性格付けが当面の課題である。
    B)錐体が最大密度である領域(Fシリーズ)で網膜中心窩に特徴的な神経回路を調べる。空間視と色覚視に関する錐体のみから始まるもっとも解像度が高い回路的しくみの解析が当面の課題である。
  2. 視覚神経情報の理論的研究
    シャノン・ファノ符号化方式の情報コンセプトを網膜情報処理に適用する。「遺伝符号の情報理論」で用いたのと同様の方法論で初期視覚符号の情報理論を試みる。


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